澄んだ空気 秋を歩く
積乱雲は夏が連れて行った
秋を歩いているわたしに
幸せな恋なんて似合わない
幸せがなみなみ入った
コップにだって数滴
悲しみを注ぐものよ
残暑はまるで未練のよう
変えられないとわかっていても
追いかけるものよ
理屈なんて夏に置いてきた
女はいつも
少し切ないのよ
秋を憂いている悲しみを
外に出そうと涙がたれる
涙で花は咲かない
コンクリートは笑わない
秋を憂いている悲しみを
外に出そうと鼻をかむ
上を向くしかできない
そんな秋を憂いている
目が霞んで
鼻をかんで
今年も秋に慣れない
目が赤くなって
においがしなくなって
それでも秋が好き
女はいつも
少し切ないものよ
秋を憂いている切ない空気に
抱きしめられている
幸せな恋など必要ない
星がきれいに見え始めても
秋を憂いている切ない空気に
揺らされていたい
前を向くしかできない
そんな秋を憂いている
どこか安心している
幸せになりすぎたくない
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