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おだしのにおい

おでんがコンビニから消えたことを 恥ずかしながら知らなかった ドアを開けるといらっしゃいませ おだしのにおい 恋愛とスポーツを同じ熱量で 語っていたいつかの冬を思い出す 記憶のトリガー おだしのにおい 大根ひとつだけでいつまでも 湯気のような会話をしていた 忘れたくないことはすっかり忘れて 忘れてもいいようなことが いつまでも忘れられない 恋愛とスポーツを同じ鍋で 煮込んでいたいつかの冬 染み込む前の若さに湯気が立ちのぼる 物思いにふける材料がなくなって 煮詰まった日々を食べていく   さようなら いつかのおだしの記憶 さようなら 湯気のような青春の匂い

嫌だ

ラブストーリーが突然なら 別れも突然にやってくる お互いの合意とは程遠いのに 愛の与党 あなたの意見が通る 理由はなんでもいいや 直したって関係は直らない 振られてやるけど   もう少しだけそばにいてくれない? ってこういうとこなんだろうなぁ 振り向きもせず進んでいく時間に 涙は乾きかさぶたができた 傷跡だけがあなたとの日々を 証明するなんて 酷い話だ 嫌だよ  嫌だ わかりやすい説明が   わかりたくない心を絡まらせる わかってる あなたも辛いことも そんなわたしをわかっていることも わかりあえるって いいことばかりではないね 心も体も全て使って あなたとやり直す方法を探す きっと難しいことなんだろうね                               簡単に決めたことじゃないのだろうから 向き合わなくてどうする   どうか振り向かないでそのまま進んで 前だけを見て   背中を見送らせて                                                             感謝と少しの憎しみを込めて さようなら      ありがとう      ありがとう いつかは傷を肯定して いつかは違う手を握り いつかは間違いのない わたしになる わたしになる いつかは笑顔で会えるかもだし そもそも思い出さないかもしれない 知らない そんな日々が   嫌だ 嫌だよ