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雨のち雨

雨 のち雨 乾く暇のない傘 水溜りが地面のいびつさを教える 雨のち雨 あじさいは梅雨の差し色 足元を見て歩く時間も大切なんだろうな 太平洋高気圧とオホーツク海高気圧が 一年に一度ダンスしてできる梅雨前線 雨が不自由に落下した 報われない願いのようだ 傘を伝い大粒になった 雫を掬い眺めてみた   雨のち雨 止まない雨もある 悲しみは傘じゃ防げない 雨を好きになりたい 濡れてもいい 部屋干しでもいい いつか乾くのに 灰色の空 夜の前借り 誰かの涙みたいな 雨が好きになれない 雨が不自由に落下した 報われない願いのようだ 傘を伝い大粒になった 雫を掬い眺めてみた    雨のち雨 太陽を持ち歩く 悲しみをすべて乾かしてみせる

またくる時のために

まだ行ったことないのに またくる時のために 約束をするために また会いたい心を見つける旅に         東北へと走らす車はどんぶらこ 極めて安全に進む 聞いてくれる人などいるのだろうか 不安な B メロに蓋をした 広すぎる空の下 曇ってる心が救えるか 歌にそんな力があるのか 流した涙はいつでも自分で拭った あなたの涙を紐解けるのか歌は 紐解けるのか歌は 紐解けたらいいな 迷って困っていつでも悩んでる あなたもそう、わたしもそう なんにもできなくて困った顔を見て 笑ってくれたらいいな 広すぎる空の下 曇ってる心が救えるか 歌にそんな力があるのか 流した涙はいつでも自分で拭った あなたの涙を紐解けるのか歌は 紐解けるのか歌は 紐解けたらいいな まだ行ったことないのに またくる時のために 約束をするために また会いたい あなたを見つけるために

あるボクサー

いつも人より少し損をして 優しい顔で笑っている たくさん許してきた心は たくさんの安らぎを作ってきた 無頓着なフリして傷ついてる あぁ無常 それでも笑顔で安心を作ってきた ジャブの後はストレート 殴り合った後 讃えあう傷跡 守るために磨いた拳 大切を掴む 絶対に離さない 夕焼けに染められた橙色の世界 染められないなんてできない 美しくて無力な世界 バイクに乗り風と戯れ合い スピードをあげるほど風は突き刺さり 体を貫き 心にちくり もう何一つ失いたくない 一体なにと戦ってきたんだ ゴングが鳴っても相手がいない 強くなれたのか 自分に勝てたのか 空振りの言葉 体力を奪う またきみは泣いているじゃないか もう何一つ失いたくない すべてを守ってみせる

僕たちは春に閉じ込められた

僕たちは春に閉じ込められた 抜け出せない夢の中 視点はめまぐるしく春をかける 旅立つ種子は片道切符 風の向く方向に浮遊する 夢なら 春を起こせた 夢なら 何度も出会えた 夢なら 意味なんていらなかった 夢なら 夢なら 何度でも掴めた 夢なら 確かめられた 夢なら 意味なんていらなかった 夢なら 僕たちは春に閉じ込められた 抜け出せない夢の中

笑かし鬼

鬼は外 福は内  炒り豆ととっておきの恵方巻き 鬼は外 福は内 投げつけるのは豆じゃなくて愛 鬼は外 福は内 傷けないゆるやかな放物線 鬼は外 福は内 鬼も笑ってしまう最高の茶番 どちらかが鬼になるのがルールなら 頬を痛くさせる 笑かし鬼になる 悲しみを棚に上げまくった日々 は 楽しみさえたまに悲しくさせるのだ 炒り豆に花 奇跡よ起こるな 当たり前といつも通りの日々が いつまでも吉方位であるように 黙って食べ切れたことない恵方巻きの巻 笑ってはいけない緊張と緩和の くすぐり合いの愛 えずいて むせて 爆笑して 流した涙は絶対 悲しみの何倍も美しい 幸せすぎて皺寄せがこないか 心配になって臆病と家出しても 外で待ってる笑かし鬼が サプライズ変な顔で頬を解くよ 福と手を繋いで家へ帰ろう 悲しみを棚に上げまくった日々は 楽しみさえたまに悲しくさせるのだ 炒り豆に花 奇跡よ起こるな 当たり前といつも通りの日々が いつまでも吉方位であるように どちらかが鬼になるのがルールなら 頬を痛くさせる 笑かし鬼になる

おそあし

ゆ っくり歩こう 風を食べたら味がするかも ゆっくり歩こう いっしょにいるときだけでも 早足のきみが観ている景色は ジェットコースターみたいな自分の心だ 遅足のぼくが観ているきみは ぐるぐると考える音が鳴っていた 景色を置き去りにする きみの服を掴む 深呼吸 すーはー 一緒にいまを見つめる ゆっくり歩こう 蕾をつけた街路樹に気付くかも ゆっくり歩こう いっしょにいるときだけでも 早足は禁止 前に出たらしばき BPM80 ぐらいで歩いて 最低でも 3 つ なんでもない道にある 小さな感動を見つけてみて ゆっくり歩こう 流れる時間は歩く速度で変わる 覚悟を決めて手を握る ゆっくり歩こう 流れる雲の先を眺めたり ゆっくり歩こう きっと着く 一緒の目的地 遅足のきみが観ている景色は 同じ速度で並ぶふたつの心だ 遅足のぼくが観ているきみは 美しくてまぶしい横顔だ